2013年2月18日月曜日

ピス(ピース?)島。

先輩隊員がもうすぐ帰国ということで、願いを叶えよう企画の第一弾。まだ行った事のない島に行ってきました。
環礁の一番外れにあるPiis島。住んでいる島からボートで1時間ちょっとぐらいかかります。


環礁上の島なので、起伏はなく平坦な島。島の周辺は水深が浅く、エメラルドグリーンの海が広がります。出発日の朝、天気が悪かったので船が出せるのかどうかびくびくしていましたが到着したころにはいい空模様でした。


環礁上にあるということは島の片面には外海が、もう片面には内海が広がるのです。
外海につながる方の海岸線。マーシャルやコスラエを思わせる独特な海岸線。波打ち際に形成されている岩の様なものは珊瑚なんでしょうか。ずでーんと長い一枚岩のような不思議な海岸地形。


特に決まってすることもなく、だらだらとボートを出してくれた知り合いの親戚の家に転がり込んでごろごろ。ご飯もつくるのも食材を持ち込むのもめんどくさいということで、ご飯と缶詰とラーメンという現地人のようなスタイルでだらだらごろごろ。

長い夜は修学旅行ごっこ(真っ暗の中でしょうもない話をだらだらする)をして、気づいたら夢の中へ。

翌朝激しい雨の音で目覚めました。

バケツをひっくり返したような雨の中でびちゃびちゃになりながら島を一周したのですが30分強で出発地点に戻って来れる小さな島でした。

ずぶ濡れのチューク隊。


こじんまりした小学校。島ある学校は小学校が一つだけだそうです。


途中でとんでもないものを発見しました。漫画の中でしか見た事のないような家。

いや、家?


小屋が海の上に浮いていて、モーターエンジンが3基もついています。


雨でレンズに水がついてぼやけていますが、横から見るとなんと農業用のトラックも乗っています。

なんのために誰がつくったのかわからないこの水上小屋。先輩隊員が言うには、これはちょっと前までは私たちの住んでいる島の方に停泊していたとのことですので、どうやらちゃんと移動が出来るそうです。

Piis島。楽しかったのは楽しかったんだけど、距離が結構あるしもうこないだろうなぁ…。

ちなみに余談ですがこのピス島は日本のテレビで特集されたことがあるそうです。
「日曜ビックバラエティ」の〝仰天ニッポン滞在記〟という企画。

http://www.tv-tokyo.co.jp/sun/backnumber/379.html

いろんな国の家族を日本に招致してホームステイしてもらい日本人家族との交流をとりあげるという趣旨の番組らしいんですが、そのいろんな国の説明が毎回〝原始的な生活をしている…〟〝電気・水道・ガスもない…〟っていう決まり文句から始まるっていう若干悪趣味な番組です。

バックナンバーを見ていたら今まで全4回、チュークからはピス島・シス島の2回。残りの2回はパプアニューギニアだそうです。

日本に置けるこの国の知名度を上げるのに貢献できる、形はどうであれ現地の人が日本に行ける(日本を知ってもらえる)などといい側面もありますが、どうしても「見せもんにしてんじゃねぇよ」って気分が拭いされないのが私の中の本音ですね。当のチューク人は特に何も思っていない(むしろ喜んでいる)と思うので別に私がどうこう言うことではないんでしょうけど。

2013年2月15日金曜日

ハッピーバレンタインズデイ。

本日はバレンタインですね。

日本では男子にとってもナーバスで、女子にとってもなんだかんだでナーバスな一日ですが、ここチュークではバレンタインは全くもってナーバスな一日ではございません。気軽に「ハッピーバレンタインズデー」なんて声を掛け合う程度のもので、そもそも日本みたいにチョコ配って告白云々のイベントをしているのは特殊な例ですからね。

中休みに私の教えているクラスの女の子がテクテクと近づいてきたと思ったら、
「ハッピーバレンタインズデー、てぃーちゃーこーたーい!」とな。

手に可愛く折り畳んだ紙を持っているのです。


チューク語の子音にはDがないので、発音もスペルもDの部分がTになりがちなのですがなんとちゃんと「TO:Kodai」とな。これはほんとに珍しいんです。大人でもKOTAIとスペリングすることが多いのです。そして、「こーたい」と呼ばれるのです。

でも、下の写真にあるようにちゃんとKodaiですよ。Kodai。


嬉し恥ずかしの手紙。


「算数を教えてくれてありがとう」の、〝算数〟がなぜか〝マタマティックス(Mathamatics)〟になっていますが、そこらへんはご愛嬌。でもとっても字がお上手でしょ。多分英語の文面はお父さんかお母さんが考えたんだと思いますけど、なんにせよ不意にもらう手紙ってのは嬉しいもんですね。

なんだかこの手紙一つで今日は一日ほっこりとして過ごせました。ありがとう。

学校が終わって午後からは、街中にあるトラックストップホテルのバーがオープニングイベントをするからという事で参戦してきました。クリスマスにオープンする予定で年末にせっせと建てていたのに、間に合わすことができず、ここ最近はめっきり作業速度がダウンしていたんです。なるほど、次のそれっぽいイベント(つまりバレンタインズデー)に合わせてオープンする作戦にいつの間にか変えていたようですね。


名前はマングローブバー。
海の上に柱を組んで建てているバーなのでマングローブのすぐ隣でお酒が飲めます。よく言えば海上バーですね。ウエノ写真の奥にある緑のがマングローブ。そして柵の下はすぐ海です。


オープニングイベントということで酒の肴程度の食べ物が置いてあったり、ビールの値段が通常価格よりぐっと安かったり、途中でケーキをサービスでくれたりとまさに至れり尽くせりでした。これで夕日が見れたら最高だったんですが生憎の雨。しかし、店の雰囲気は全て木の暖かみがあって海のそばにあるのでさわやかな風を感じてビールを飲むのにちょうどよかったです。
みなさんも何かの機会でトラックストップに宿泊の際はぜひとも夕食後にマングローブバーを利用してみてはいかがでしょうか。そして、マンブローブバーでビールを飲んだ後は、同じく敷地内にありますハードレックカフェ&バー(ハードロックカフェ&バーのパロディ、〝レック〟は沈船という意味)をおすすめします。


勝手にトラックストップ情報

部屋   :★★★★☆
コスト  :★★☆☆☆
水回り  :★★☆☆☆
食事   :★☆☆☆☆
サービス :★★★☆☆
立地   :★★★☆☆
ダイビング:★★★★★
バー   :★★★★☆

酷評しているように見えるかもしれませんが、チュークでどこに泊まるのがオススメか?と聞かれたら私は迷わずトラックストップを推します。個人的にはかなりいいホテルだと思いますので是非ご利用くださいませ。

2013年2月14日木曜日

灰の水曜日。(Ash wednesday)

今日は灰の水曜日でした。

灰の水曜日というのは私たちが神によって土から造られた存在でそして灰となって消えゆく儚い存在であることを忘れないための日だそうです。まあキリスト教の世界では現世は仮の人生ですから、あまり執着してはいけないのです。あくまで来世ありきの現世だということを忘れないことはきっと大切なのでしょう。

ということで、低学年は中休みまでの授業で終わって教会へ。教会では列を作って並び、順番が来たらおでこに灰で十字架を書いてもらいます。

得意げな表情の子どもたち。おでこの灰の十字架が分かりますか?















たまには学校隊員っぽく子どもの写真をあげてみましたがいかがでしたか。
なかなかチュークの子どもたちもいい表情をしているでしょ。


ついでに、チュークの子どもの遊びを一つご紹介。
おでこの灰の撮影をしていたら子どもたちがちょうど横で遊び始めたので撮影をさせてもらいました。

あらよっと、こなれた感じで逆立ちをする子ども。


すると、その横にも続々と逆立ち小僧が並びます。


そして、バトルがスタート。これぞチューク流のカポエイラ!!
相手を足で威嚇して先に崩れた方が負け(?)。


低学年の子どもなので壁を使ってやっていますが、高学年の子どもや低学年でも運動神経のいい子どもの場合は壁なしで完全に逆立ちをして戦うことも少なくありません。

最後に今日の嬉しかったことをシェアしてお終いにします。
このノートを見てください。


これ、幼稚園の子どもでこの半年以上なんの勉強もしなかった(自分からは鉛筆を持とうともしなかった)子どものノートなんです。
14という数字の横に、○が三つならんでいるのが分かりますか?
そこまでは、子どもの手を掴んで、一緒に鉛筆を握って私が書いたんです。

ちなみに、14個のりんごの絵を描こうという課題です。

三つならんだ○の横に、りんごらしきものが並んでいますよね。
そうです、初めて彼がノートに自分で何かをかいたのです。

彼は他の子どもより1、2歳年下だけどなぜか(まあ託児所代わりですね)入学してきて、座っていることもまともに出来ないんです。そんな、彼にとって鉛筆をとって言われたことに反応して何かをしようとしたってだけで、大きな成長なんじゃないかな…と親ばかっぷりを発揮して写真まで撮ってしまったのでした。

〝親ばか〟と書きましたが、幼稚園では何故か彼は〝広大の子ども〟と呼ばれているのです。そして、彼自身も「べいびーべーいーびー!」といいながらつきまとってくるのでまんざらでもないようで…。

日進月歩。
子どもには成長をしていない瞬間なんて存在しないのだと本気で思います。

2013年2月11日月曜日

選挙とインドカレー。

来月の頭に選挙があるんです。

選挙といえば選挙ポスターですよね。選挙ポスターって大抵はちょっとええ感じの写真を選んで作りますよね。なんか優しそうな顔だったり、仕事の出来そうな顔だったり、誠実そうな顔だったり。何にせよ、いいイメージを作るためのもののはずですよね。

ショッピングセンターの壁に選挙ポスターが貼ってあったのです。


え?


指名手配のポスターっぽいのは気のせいでしょうか。

まあ、各島民がほぼ全島民のことを把握しているこの社会では別に写真がどうこうじゃなくてもいいのかもしれませんがもうちょっとええ写真&ええレイアウトがあったんじゃないかなと思いますね。

ちなみに、この国のメインの選挙活動は何かご存知でしょうか?
もちろん知らないと思いますので正解をば。

この国では選挙の時期になると立候補者が大盤振る舞いをするのです。

住民に米を買って配り歩いたり、チキンを1ケース買って配ったり…とりあえず物を配ってせっせと懐柔作戦に出ます。
噂では首都のポンペイでガソリンスタンドに車の列が出来ていてどうしたのかと思ったらその日はある立候補者がガソリンの金を払っていたなんてこともあったとか。

日本では完全にNGなこの国の選挙。今年は誰が選ばれるのでしょうか。


今日のおまけ。

チュークで手に入る香辛料のみでインドカレーが作成可能だと分かったので急遽取り揃えてみました。


コリアンダー、チリパウダー、マサラ、 カルダモン、ブラックペッパー、ターメリック、ココナッツミルク、ベイリーフ、シナモン、カシューナッツ、などなど。
チュークにはインド人もフィリピン人もいるので結構香辛料はそろっています。


今回は、ナスと挽肉のカレー。
どうですかこれ。かなり本格的な感じがするでしょ。


ペーストを作ったりするのに時間がかかったので全部で3時間程費やしましたが、今までチュークに来てから作ったものの中ではダントツでおいしかったです。
次回はフライパンでナンも焼いてみる予定です。

さらにおまけ。
おうちごはんシリーズ。


ナシゴレンちゃん。(インドネシア風焼飯)

任国外日数がなくなって国外逃亡ができなくなったので、料理で任国外旅行を楽しんでいます。

2013年2月7日木曜日

戦争の爪痕。(夏島・トノアス島)

ちょこちょこ津波についての安否確認がきていますが、ここチュークは特にいつもと変わらず穏やかな海です。ご心配の連絡をくださった方、ありがとうございます。とりあえず特に大きな問題は発生していないことをここに報告させていただきます。また注意報や警報等につきましても昨日の昼過ぎには解除されていますので合わせて報告させていただきます。

ちなみに、私の住んでいる島は巨大な環礁に囲まれており、もともと津波などの影響を受けにくいと言われています。環礁に囲まれているというのはつまり天然の要塞であるとも言えます。だから、その地の利を生かしてここは世界大戦中に日本軍の拠点がありました。日本統治時代に最も栄えていた島はトノアス島(旧日本名:夏島)で、私が生活しているこの島のすぐ隣にある島です。一年半もチュークで生活していたのに、実は一度も行っていなかったトノアス島に先日いく機会がありましたので、少しだけ紹介を。


基本的にはボートの上からぐるっと島を一周しました。いつもダイビングをする時に休憩ポイントになっていた場所のすぐ近くにあった建造物。今まで気にもとめていませんでしたが、実は鰹節工場だったそうです。


さらにボートを進めるとあったのが船着き場。今ではもう使われていないのかな。


真横にあった鉄屑。


森小弁さんの記念碑。森小弁さんは明治期にミクロネシアに渡り住んだ人です。ちょっと年配の人なら誰でもしっている「酋長の娘」って歌とか、「冒険ダン吉」って漫画のモデルになっていると言われている人。ちなみに、現ミクロネシア大統領も森小弁さんの血筋の日系人。


トノアスの女の子。人懐っこい。


木と石柱の奥に広がるのはその昔に森小弁が作ったと言われる(?)運動場。今でも使われているそうです。


ふと気づいたらさっきの写真の姉妹や、他のチビちゃんが後ろをついてきていました。ここらへんも暇が支配する南国ならでは。


道中みつけた、キツネみたいな猫とその使い手。猫とは思えぬ懐きっぷりでした。南洋ギツネ。


小学校の校庭に防空壕の出口がありました。かつてはここに人が入って爆撃を逃れていたそうです。


ちょんちょん橋。兵隊さんがその昔この橋を渡って「ちょんちょん」をしにいったそうです。つまり、この橋の先には昔遊郭があったそうな。大戦中にトノアスがかなり栄えていたのが窺い知れるエピソード。ちなみに、映画館とか神社なんかもあったそう。


こちらは大戦より前に建てられたというチューク最古の教会。1910年だったかな。


旧海軍病院跡。この石柱の上に建物を建てていたそうです。建物の土台の遺跡という意味ではグアムのラッテストーンみたいな感じですね。


旧小学校の正面玄関。今はオフィスになっています。


いつ渡ろうかいつ渡ろうかと長らくの間、懸案事項であったトノアス。ちょうど今回はいいタイミングだったように思います。戦争の痕がそこかしこに残るトノアスですが、今となっては緑に覆われた牧歌的な島になっていました。

「トノアスに行ってきたよ」
と、学校で同僚たちに言うとあれを見たかこれを見たかと言われてまだまだトノアスの見ていない部分がたくさんあることが分かったので、機会があればもう一回ぐらいは行ってもいいかなぁ。いろいろ聞いた中では同僚の家(日本統治時代は銀行だった建物らしい)にあるという〝開ける事が出来ない旧日本軍の金庫〟というのが今のところ一番気になります。

2013年2月1日金曜日

チューク隊宣言。

「目を覚ましてよ」
君の声が 僕を包み いぇぇ

さすがに起きたら昼過ぎだった場合は自分の駄目生活っぷりに辟易しますね。今日は目覚めたらPM1:00でした。早く授業はじまんねぇかなぁ。


ところで約一年ぶりぐらいに新隊員さんが来チューということで、先日チューク隊で歌を披露させていただきました。以下に歌詞を。さだまさしさんの「関白宣言」の替え歌です。後日暇があったらウクレレverでyoutubeにアップします。


チューク隊宣言

お前をここに むかえる前に
言っておきたい 事がある
かなりきびしい 話もするが
これが現実 聴いておけ

6時より先に 電気はない
朝になっても ないかもしれない
めしは覚悟しろ
ビタミンはとれ
出来る範囲で構わないから

忘れてくれるな 仕事は特にはない
家庭に帰れば 今日もラーメンライス

お前にはお前にしか
できないこともあるから
日本に帰るまで
黙ってがまんしろ

お前の親と ステイ先と
どちらも同じだ大切にしろ
職場に地域 かしこくこなせ
たやすいはずだ愛すればいい

人の陰口 言うな聞くな
それから他州にシットはするな
俺は任短はしない
たぶんしないと思う
しないんじゃないかな
ま、ちょっと可能性はある

活動はカウンターパートと 育てるもので
どちらかが苦労して
つくろうものではないはず

お前はチュークへ
日本を捨てて来るのだから
帰る場所は無いと思え
これからチュークがお前の家

いろいろあって 嫌になっても
俺より先に 帰ってはいけない
例えばわずか 一日でもいい
俺より早く 帰ってはいけない
何もいらない 俺の帰国の時
涙のしずく ふたつ以上こぼせ

お前のお陰で いいチューク生活だったと
俺が言うから 必ず言うから

忘れてくれるな 俺の愛する島は
愛する島は 生涯チュークひとつ
忘れてくれるな 俺の愛する島は
愛する島は 生涯チュークただひとつ


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ちょっとインサイドジョークというか、チューク州あるあるですので分からなかったらごめんなさい。ラーメンライスやらなんやらのくだりは過去ログをあさってもらったら分かるかもです。
まあ、ビタミンとらなきゃやら大した仕事がないやらカウンターパートと活動を作りたいやらと協力隊あるある(?)と言ってもいいかもしれませんけどね。

明日は土曜日!早起きするぞー!