きっこくきっこく!
帰国シタイシタイ病にかかったのは遥か一年ぐらい前でしょうか。いざ、帰国が近づいてくると今度は帰国コワイコワイ病が発症しました。日本社会はオソロシイです。
時間の概念の存在しないこの南国暮らし。時計なんて持ち歩く必要のないこの今の生活。
起きた時間が出勤時間、勤務時間は自分次第。まあ全部、夏のせいなんです。
さて、日本という枠に戻れるのでしょうか。
五月の中頃には今年度が終わって夏休みになってしまうので、概算してみますと帰国までの私の仕事時間は24時間程度しかないみたいです。そう、ぎゅっと凝縮したら一日で終わってしまうのです。
この国で予定を確認するときに、〝アメリカ時間で〜〟なんて冗談めいて言う事がよくあります。それはつまりオンタイムでいきましょう。時間厳守でお願いします。なんて時につかってるんですね。そんときに、「〝日本時間〟だと、オンタイムじゃなくて、30分前には最低でも集まっている必要があるよ。」なんてことを現地人に冗談で言っていたんですけど…。
もう冗談じゃないですよね。
8時からの仕事だと7時半とか7時に職場にいるのが当たり前の恐ろしい国ジャポン。
この国だと8時からの仕事だったら9時〜10時ぐらいに職場にいれば十分なのに。たとえば雨が降った時用の時間割があるんですよ。今、私が住んでいるこの島では。雨が降ったら公式に全員遅刻です。
ああ。日本は狂っているよ。
終わる時間だって今ならすることがなくなったらいつでも帰宅時間なのに、日本だと勤務時間が終わって帰る人なんてほぼいませんよね。
最初はこの島のことをオカシイオカシイと思っていたんですが、今となっては日本だってとんでもなく〝普通じゃない〟と気づくのです。
「お前はいつまでここにいるんだ?」
「あと2ヶ月程だよ。」
ここは島国。小さな小さな島嶼国。
芭蕉ではありませんが、みんなが船の上に生涯を浮かべているんです。それぞれがそれぞれに旅人。住処なんてのはまさに仮のものなんです。きっとそれは無限の時間を持つ島の人特有の感性なんだろうな。
私たちにとってのお別れと現地の人にとってのお別れは少し意味が違います。
「まあ、またくるんだろ?」
程度に言われるのですが、今みたいな形でこの島に停泊するのは出来ないことを私は知っているんです。きっとまた来ることは来るけど。次に来たときはもうきっと日本人。
ああ、コワイコワイ。帰国コワイコワイ。
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