彼女たちの作っているフリーペーパーのスポンサーにレインボーネシアプロジェクトがついているらしく、この取材旅行もレインボーネシアプロジェクトの一環なのだとか。
レインボーネシアプロジェクトとは日本にあるミクロネシア大使館(?)の公式〝国おこし〟プロジェクト。
歯に衣着せぬ言い方をすれば、日本の観光客に来てもらいたいからミクロネシアをプロモーションしようとしている訳ですね。
確かにネットでレインボーネシアのサイトを見ると、なかなか大層なビジョンが書かれてあるわけですが大きなことばかり言うけど実際にはなかなか動かないこの国のことなのでこのプロジェクトについても些か疑問が残りますね。
今のところ、この国は一部のごくごく狭いリゾートエリアにストップして、そこから無人島に行って宿泊したりダイビングしたりしか出来ないです。まあ、実際それでも一週間ぐらいの滞在だったら最高に楽しめるんだけどね。でもやっぱり、この国みたいなマニアックな国に旅行しようという人って、その国の文化にちょっとぐらいは触れたいと思うんですよね。
でも、この国は文化的にも急速に衰退していっているわけで、それは社会基盤が壊れてきているからだと私は思うのです。社会基盤の不安定な場所に文化もなんもないですからね。それはアメリカ様がお金をばらまいたおかげだとこの国の人間はいうけど、原因が分かっている時点で、自分たちが変わらないといけない段階にきているわけですよね。人のせいにしてちゃだめです。といっても、大半の一般人にはどうしようもない話で、局長レベルの人がそのばらまかれたお金を管理できないのが諸悪の根源なのです。自分のことしか考えられない上層部とその上層部からのおこぼれで生活している一般人。まあ難しいですけどね。
例えば電気。一昨日は遂に丸一日電気がありませんでした。昨日も普段の半分ぐらいしか電気がつきませんでした。今日もいつもの時間には電気がこず、明らかにここ三日間何かがおかしいです。理由を聞いたらオイルが買えないからだって。ん?おかしいぞ。何故オイルが買えなくなることがあるのでしょう。資源のなにもない島国だからもし物理的に買えないとかなら分かりますけど。それでも、それも考えてストックしておくべきものですよね。住民は電気代を払っているんです。プリペイドで、ちなみに日本の二倍ぐらいの高い電気代をね。電気会社がその金を集めて、ちゃんと運用していればオイルがなくなることなんてありえないんです。でも、実際にはオイルが買えないときがあるんだとか。何故か。それは、そのお金を横流ししちゃってる訳ですね。たとえば、コンビーフを買っちゃう訳ですよ。そういうのを管理者クラスの人が平気でしてて、それを知っている人もその恩恵を受けているから文句いえない、言ったところで何も変わらないし、立場悪くなるぐらいなら恩恵うけてるほうがいいかなぁ。ってなもんです。
まあ実際のところこれが本当かどうかは知りませんよ。何人かに聞いた内容をまとめただけだし、そもそも発電所で働いている訳じゃないし。でも発電所以外の他の省庁でも同じようなことがいっぱいあることからも、やっぱり当たらずとも遠からずというところでしょ。
食べ物に関しても特産品みたいなのにしても自分たちで何か土地のものを考えようというような発想が一切ないし、これだけ歴史的な遺産があるというのに自分たちの力で保護しようともしない。
すべて今日が大事なんですな。今日のことばっかり、自分のことばっかり考えているので何か明日の為に作る発想に乏しいのです。
未来を大事にしていないのは教育がないがしろにされているこの国の現状にはっきりと反映されています。
明日より今日を続ける限りこの国の〝国おこし〟は難しいだろうなぁ、今日より明日、明日より明後日がここにはほんとに必要なんですよ。
虹の沢山みえるミクロネシアに行こう、という意味でつけられたであろうレインボーネシアプロジェクト。
それが虹のように儚く消えていく、レインボーネシアプロジェクトでないことを切に祈ります。
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