さらに今回は調整員さんがパパスの病室にもお見舞いに来てくれたのですが、その瞬間にここ1週間程ずっと暗かったパパスの顔がいっきにぱっと明るくなりました。日本人大好き、特にJICAが大好きなうちのパパス。調整員さんの突然の訪問がかなり嬉しかったみたいです。ニコニコしているパパスを見ていると私も気づいたらニコニコしてることに気づきました。他人の表情は自分の鏡ですね。
昨晩はなんとなく帰りたくなくて同期隊員のステイ先に泊まらせてもらったんですがいつまでもそんなことをしておくこともできないので今日はちゃんと家に帰って来ました。
オトウトスに〝ベリンジャーの首輪を探してきてくれる?思い出として持っておきたいんだ。〟って言うと二つ返事でオバチャンたちのとこにいってくれました。誰が外したのかやら、どこにおいたのかやらをせっせと聞いて探してくれたみたい。
部屋で仕事をしていたら、オトウトスがドアをノックして「ニイチャン…?入っていい?」って聞くので招き入れると彼は神妙な顔をしてました。
「ベリンジャーがいなくなって寂しい。」
彼がぼそって言いながら見つけてきた首輪を渡してくれましたので、〝そうだね、ベリンジャーはもういないね。〟って答えたらオトウトスは続けました。
「カリン(猫の名前)もベリンジャーがいなくなって寂しいんだと思う。」
また泣きそうになったけど泣かずに答えました。〝うん、カリンとベリンジャーはいいライバルだったからね。〟
そうなんです、私がチュークに来たときにはカリンもベリンジャーも同じぐらいのサイズだったんです。どっちもほぼ生まれたての赤ちゃん。ことあるごとにカリンとベリンジャーは喧嘩ばっかりしてたんですよね。成長してからもつい三日前も餌を巡って火花を散らしていました。
ベリンジャーとカリンと一緒に私はチュークで成長してきたんだなぁ。
そして、オトウトスもずっと単身でハワイの親戚の家に居候していたので、私が来るのとほぼ同時にチューク生活を再スタートしています。
ベリンジャー、カリン、オトウトス、私。
四人はこの六ヶ月ほぼ同じようなペースで歩んできたんです。
そんなオトウトスが寂しそうな、悲しそうな顔をしていました。
近所の子どもたちは知らんけど、やっぱりオトウトスにとってはベリンジャーが特別な存在になっていたことに時間をおいたら分かったみたいです。完全にいなくなってみないと分からないもんですよね。家に帰ってきてもしっぽをふりふり跳びかかってくる駄犬ベリンジャーがいないんです。ずっと一緒やったのに。オトウトスには犬のしつけの仕方を教えたんです。オトウトスと一緒にせっせと仕込んだらベリンジャーは最終的にはお座り、お手、待て、が出来るようになったんですよ。そりゃおらんくなったらさみしいですよ。
今日は本当は別件でオトウトスを部屋に呼んで家族(兄弟)会議をしようと思っていたんですがやめました。
まあ会議というか躾というかなんというか。パパスとママスにオトウトスの世話を頼まれているので、定期的に口をすっぱくして憎まれ役を買わないといけないんですよ。8時以降は外出するな、勉強をしなさい、部屋を片付けなさい…などなど。
でも、今日はもういいや。
なんかちょっと嬉しかったし。
明日またちょっと話をしよう。
0 件のコメント:
コメントを投稿