2011年10月17日月曜日

欲しけりゃくれてやれ。

二ドルをなかなか返してこなかった人が今日も二ドル貸してくれと言ってきた。「家族以外のチューク人にはもうお金は貸さないことにした。」ときっぱり断ると「何故だ?」と理由を聞かれたので歯に衣着せず、はっきりと言わせてもらった。「それは全部あなたのせいだよ。もしかしたらあなた以外の全てのチューク人はちゃんとしているかもしれない。でも、あなたの前回の行動を思い出してもらいたい。あなたはお金にケジメのない人だった。あなたはあなた個人の問題だと思うかも知れませんが、あなたが私をわざわざ選んだ理由は何故ですか?それは私が〝日本人〟だからです。他にも知り合いはいるはずですよね、でも日本人だから貸してくれると思ったのでしょう。ということは私もあなたを〝チューク人〟として見る必要があるでしょう。だからあれ以降、お金に関してもう一切この国の人を信用しないことにしたんだよ。そんな目で人をみなきゃいけないというのはすっごくいやな気分だけどね。お金を貸すのは簡単なんですけど、私はこれ以上いやな思いはしたくない。あなたは軽々しくお金を貸してくれと言う、たった二ドルじゃないかと言う。でも私にとってその二ドルってやつは、たかが二ドルではないんです。あの時の二ドルというのはチューク人が私(日本人)との約束を守ってくれるかどうかという指標だったんです。」

そういえばこの前も彼は「二年後日本に帰る時の約束をしよう!そんときはお前の時計をおれにくれなっ!決定なっ!」と一方的に言ってきた。まあそんときも、断りましたけどね。私の時計は教え子のお父さんに記念としてもらったやつなのでその旨を伝えてすっぱりと。そもそも約束を守れない人と約束なんかしたくないと。

くれくれと言う人に限って周りに何も自分からは与えようとしない。

少なくとも私が彼からもらったものは何もない。物理的にも精神的にも特に何ももらった覚えがない。別に欲しいという意味で言ってる訳じゃないですよ。ただ、この国に来て早四ヶ月が経ち、いろんな人から様々なものをもらってきた。それは同僚からもだし、全然しらん人からもだし、子どもたちからもだし、なによりも家族からですね。ほんとうにいろんな人からものすごくよくしてもらっている。別に頼んだわけでもないのに。(ヤシの実に関してはよくいろんな人にくれくれとねだっていますけどね…えへ)
頼んでいないのに何かが返ってくるというのは、それだけ自分が何かこの国に貢献できていることの裏返しだと自信をもっていいとおもうんですね。

だって、「なんじゃこのクソヤロー」って思ってるやつになんもしてあげたくないでしょ。あるいは、ものすごいよくしてもらった後って、「この人になんかお返ししたいな」って思うじゃないじゃないですか。

彼はいつも物欲しそうにしているんです。でも彼の周りの人間は「アイツには物をやるな」「アイツには絶対金を渡すな」「アイツはだらしがない」「仕事もちゃんとこなせられん」と口を揃えていいます。何かが欲しい時は、あれが欲しいこれが欲しいと物乞いをするのではなく、まわりに何かを与える側の人間になればいいんです。

この二年間、私はこの国でいろんなもんをもらおうと思っています。でもそれは別にくれくれと言ってもらうのではなく、自分がこの国にいろんなものを残すことでね。

欲しけりゃくれてやれ。まずは、自分が何かをくれてやれ。

2 件のコメント:

  1. ワラあげるから屋敷くれ。

    返信削除
  2. >けがに
    ええで、チュークにワラもってきてくれ。

    返信削除